地クラブの話 ~軟鉄鍛造のアイアン~

最近の国内の男子プロゴルフは人気に陰りが見えますが、国内の女子プロゴルフは非常に盛り上がっており、近年の賞金総額は年々増加傾向にあります。

海外に目を向けると、松山選手が丸山選手以来の米ツアー2勝目を手にするなど、日本人の海外での活躍も目立っています。また、松山選手と同学年で仲がよい石川選手の活躍も期待されているなど、ゴルフ人気は高いものがあります。

 

人気のあるゴルフ選手の成績とともに、ゴルフ好きが気になるのがお気に入りのゴルファーがどのようなクラブを使っているかということです。もちろんゴルフクラブが良い物であるからといってゴルフのスコアも良くなるというわけではありませんが、どんなスポーツも「まずは道具から」とそこに目がいってしまう人は多いのではないでしょうか?

 

姫路ものと呼ばれる軟鉄鍛造アイアン

 

そんなゴルフクラブですが、日本での発祥の地をご存知でしょうか?ゴルフクラブ発祥の地は職人の町でもある西はりま(兵庫県)と言われています。ここで作られるゴルフクラブは軟鉄鍛造のアイアンで、「姫路もの」といわれ昨今楽天市場等のインターネットサイトにて非常に人気が高くなっています。

 

そもそも日本のゴルフの歴史は明治34年、六甲山に「神戸ゴルフクラブ」が開設されたのが始まりです。そこでゴルフをする外国人のアイアンヘッドの修理が必要となり、近くにあった西はりまの刀鍛冶職人に依頼され、昭和に入るとアイアンの製造を始めるようになったとのことです。

 

昔のゴルフ

 

その後、昭和5年には日本発のアイアンヘッドがようやく完成し、日本製ゴルフクラブの歴史が始まったと言われています。姫路で作られたアイアンヘッドの生産はその後軌道に乗りはじめたのですが、日中戦争という不運な時代に突入します。娯楽であったゴルフは戦争中にはできませんでした。これにより、アイアンヘッド産業に舵を切って新たに設備投資をした工場等は、不遇の時を過ごさなければならなくなりました。

 

しかし終戦後、日本に進駐したアメリカ軍を中心にゴルフ人気が復活しました。アメリカ人はゴルフ道具を自分で持ち込んでいたため、そのクラブの修理が必要となったことも復興の一助になったそうです。その後、朝鮮半島で朝鮮戦争がはじまり、国内は好景気で大衆が少しずつお金を持つようになり、1957年に霞ヶ関CCで開催されたカナダカップで日本チームが優勝したことにより、ゴルフが一気に大衆化への道を歩き出し、アイアンヘッド産業も息を吹き返しました。

 

アイアンに使われている素材

 

ここで、ゴルフクラブの一つでもあるアイアンについて、このヘッド部分(先端部分)に使われている素材は何種類あるかご存知でしょうか?実は大きく3種類あると言われています。

 

アイアン

 

ステンレス素材

 

ステンレス素材の特徴としては、軽くそして耐久性に優れている素材であるということです。また、錆びにくく基本的にメンテナンスを必要としないため管理がとても楽です。一般的に軟鉄素材のアイアンよりも飛ぶと言われていますが、「カキーン」という打球音がしますし、打感が硬くゴルフボールとの一体感は感じにくいと言われています。(たまに手がジンジンします。)そのため、一般的にプロや上級者は選択しないと言われています。

また、現在ではステンレス素材のアイアンはいろいろな種類のものがありますが、購入後にヘッドを自分に合った角度に変更出来ないという欠点もあります。

 

チタン素材

 

チタン素材については、ヘッド部分の全てについてチタン素材を使用するのではなく、フェース面の一部にチタン素材を使用したアイアンになります。どの素材よりも飛距離は一番飛ぶと言われており、ヘッドスピードが遅く距離を出したい人に向いているアイアンです。

 

軟鉄鍛造

 

最後に「姫路もの」である軟鉄素材ですが、軟らかい鉄で作られた金属の素材でできています。よってきちんとしたメンテナンスがなければ錆びやすいので、日々の手入れが必要となります。

 

軟鉄素材を使用したアイアンヘッドの製造方法を鍛造と言い、柔らかい鉄をプレス機などで叩いてアイアンの形にします。なんといっても軟鉄素材のアイアンのメリットは、軟鉄素材なので打感が軟らかく、気持ちよくボールを飛ばすことができます。(ぐにゃっとした打感はたまりません!)また、購入後であっても自分にあったヘッドの角度に調整が可能です。メンテナンスが必要である点に加え、ミートポイントが小さく、当たらなければミスがミスと判るようになっており、プロや上級者は軟鉄素材のアイアンを好み選びます。

 

ステンレスの鋳造なら型に流し込むので簡単に多くのヘッドが作れますが、鍛造は人の手が入り何度も叩くので工程が多くなり、またその分高度な鍛造技術も必要となるため価格は高めです。「まずは形から」というゴルファーの皆様!丁寧に叩き、作り上げたこの軟鉄鍛造アイアン(姫路もの)をぜひお試しいただき、鉄ならではのその柔らかい打感を堪能してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

じばさんセンター
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